家庭でできるソーセージの手作り方を詳しく解説

ソーセージの作り方はいろいろありますが、「失敗しないでソーセージが作れる」ようにできるだけ詳しく解説してあります。手作りソーセージの基本のレシピです。
 しっかりと基本をマスターできる作り方ですので、ソーセージを作ってみたいという方はぜひ参考にしてみてください。(補足説明を書きすぎて長くなってしまいました。)
 この基本のソーセージができるようになりましたら、自家製ハーブやお好みの具材を入れるなどしてオリジナルのソーセージを作ってみてください。

 腸詰めの道具は当店で販売している「手作りソーセージキット」の口金と絞り袋を使います。
ソーセージの皮の部分となる羊腸(ようちょう)も手作りソーセージキット付属の2mの長さの羊腸です。
材料はひき肉、塩、砂糖、白こしょう、氷水を使います。

[材 料]

・豚挽肉 400g
・塩 10g
・砂糖 12g~15g
・白こしょう2g
天然羊腸アルミ個包装(2m)1袋(キット付属)×1
・氷水 100ml分
(氷を4~5コ入れて100mlになるまで水を加えたもの)

*材料の補足説明 挽き肉について
豚挽肉の選び方
冷凍していない新鮮なものがおすすめです。できれば精肉店で挽き肉を買ってください。スーパーの挽き肉はおすすめしません。なぜならスーパーの挽き肉は、ほぼ冷凍した挽き肉を解凍して販売しています。冷凍と解凍を繰り返しますと、肉がプリッと結着する成分が少なくなりますので、できるだけ冷凍していない挽き肉を使って下さい。多くの精肉店は挽き肉を冷凍していないと思いますので、精肉店での購入をおすすめします。まれにスーパーでも冷凍していない挽き肉を売っている店もありますので表示シールをチェックしてみて下さい。
 挽き肉の中でも、もし、脂が多めの挽き肉と脂が少めの挽き肉の2種類販売している店でしたら、脂が2割ほど入っている方を選んで下さい。脂が多めの挽き肉だと、脂が多すぎて肉が固まらないのでおすすめしません。
あと、パックを傾けて挽き肉から汁(ドリップ)が出ている挽き肉も使わないでください。肉が結着(プリッとする)する成分が流れでているので、結着がしにくく、ボソボソしたソーセージになりやすいです。
自宅でミンサーを使う場合
肉の固まりを購入して自宅でミンサーで挽き肉(ミンチ)にして作ることも可能です。挽きたての挽き肉は結着もよくおすすめです。ただ、ミンチにする作業に時間がかかり、肉がぬるく(10℃以上)なってしまいますと結着が悪くなりますので、手早く行って下さい。すぐにソーセージ作りができない場合は、冷蔵庫に入れておくなど、肉の温度に気をつけて下さい。また、ご自分でミンサーで挽く時の目の大きさですが、3~4mmの細目がおすすめです。あまり大きい目だと、肉の結着成分が出ません。肉を粗挽きで挽いて、そのまま練っても粗挽きソーセージを作るのは難しいので細目で挽いて下さい。(粗挽きソーセージの作り方についてはまた別のページで紹介します)
 自分で挽く場合の買う肉の部位についてですが、美味しく作れるのは「豚の肩ロース」です。肩ロースは価格が高いのですが、香りよく、結着もよいのでおすすめです。脂が2割ほど付いているとよいです。その次におすすめは「ロース」です。あまりおすすめでない部位は「もも」と「バラ」です。もも肉は脂がありませんので、もも肉だけだとボソボソしたソーセージになります。どうしても、もも肉を使いたい場合は、背脂と合わせて使って下さい。バラ肉は脂が溶けやすいため茹でている時に流れ出やすくなり、ボソボソしたソーセージになります。
*塩について
塩は普通の塩を使います。岩塩を使うのも良いのですが、初めて作る時は、一般的な塩で作ってみて下さい。初めてのソーセージ作りで、塩を岩塩にしたり、砂糖を水飴にしたり、燻煙したりといろいろ行いますと、失敗したときに原因がわからなくなりますので、特に最初はシンプルな材料で作り、結着のよいソーセージができるようになってから、少しずつ色々チャレンジしてみて下さい。
*砂糖について
砂糖は12g~15gの間で調節してください。砂糖の役割は味付けと結着を少し上げる効果があります。砂糖は甜菜糖などに替えても大丈夫です。まったく砂糖を使わないでも作ることはできますが、はじめはレシピの分量とおりの砂糖で作ってみて下さい。
*スパイスについて
ソーセージのスパイスの基本は白こしょうと考えて下さい。ドイツのソーセージは白こしょうがベースになっているものがほとんどです。イタリアのサルシッチャなどは、白こしょうは入れずに黒こしょうを使いますが、基本のソーセージは白こしょうのみで作ってみてください。
 安定して作れるようになりましたら、セージやナツメグ、フェンネル、あと自宅で育てたハーブなども入れても良いと思います。
 唐辛子やレモン汁フルーツ(ドライ・生どちらも)は入れると結着しなくなりますので入れないで下さい。
*羊腸について
ソーセージに使う羊腸は塩漬けになっているため、使う前に水につけて塩抜きをしてから使います。
*氷水について
ソーセージ作りには水が必要です。詰める量の2割(20%)が水になります。そんなに水をいれていいの?と思いますが、大丈夫ですので、水を入れて下さい。氷水としているのは、温度が上がらないように、水ではなく氷を入れた水を使います。理屈として、ソーセージの肉(生地)が完成したときに、水分として2割水が入っているのがベストとなります。
 初めて作る時は、計量カップに氷5~6個を入れ、そこに水を入れて100mlになるようにしたものを肉に入れて練ってください。氷がほぼなくなるまでねって、水分100mlを肉に練り込んで下さい。
 夏は氷もどんどん溶けていきますので、夏は氷を80g、水20gにして、練り終わったら氷と水が全部肉に吸収されている状態になると良いです。冬は逆に氷は溶けにくいので、氷50g水60gくらいにして練り、最後に氷が少し残って練りが終了するようにします。(残った氷は捨てます)

[調理器具]

・口金(ウインナー用)、絞り袋
・温度計
・量り
・計量カップ
・ボウル
・鍋
・爪楊枝
・シリコンべら
・キッチンばさみ
*口金と絞り袋について
羊腸にソーセージ用の生地を詰めるために使います。口金、絞り袋以外にもソーセージスタッファー、ミンサーなど、腸詰めを行う装置はいくつかあります。今回手作りする量は生地の量が500gと少ないため、大型の装置ですと、詰められずに残る肉が多くなりますので、口金・絞り袋をはじめとする小型の腸詰め装置を使って下さい。
 口金(ノズル)のサイズについてですが、キット付属の直径20mmほどの羊腸を使う場合は、口金の直径(外径)が12~13mmが最適です。これより太いと羊腸をとりつけにくかったり、詰める時に腸の送り出しが悪かったりして破れやすくなります。(口金の外径が16mm以上は羊腸(20mm位)のとりつけもできません。絞り袋は洗って繰り返し使用可能です。
*温度計について
温度計はソーセージを茹でる時と、ソーセージの中心温度を測る時に使います。中心温度を測る時にソーセージの中心(一番温度が低い)ところに刺しますので、食材に刺すことができる「中心温度計」が便利です。
 ただ、この基本のレシピ通りに作る際は、ボイルの温度だけ測りましたらソーセージを作ることができますので、中心温度計でなくてもよいです。
*量りについて
量りは塩やスパイス、肉の量などを測るのに使います。今回のレシピでは1g単位で測りますので最小1gまで測れるものをご使用下さい。

[作り方の手順]

ソーセージ造りの手順をご紹介します。ご家庭でも作りやすくて美味しいソーセージになる基本のレシピです。

1.天然腸の準備

まずはソーセージの皮の部分になる天然腸を準備します。
塩漬けの天然羊腸(ようちょう)を袋から取り出し水に入れて塩抜きをします。15分ほどかかりますので、肉を準備している間に塩抜きをしておくといいですね。
*塩漬け腸について
ソーセージ作りに使う羊腸や豚腸は塩漬けになっており、使う前に塩抜きをします。
*塩ぬきついて
キットで使っている羊腸は柔らかいプラスチックに羊腸をはめています。これは羊腸が絡まないため&口金(ノズル)にはめやすいためです。腸の扱いに慣れている方は、袋から出し、プラスチックガイドから羊腸を外して、伸ばし、水に入れて塩抜きをしてもいいです。プラスチックガイドがついたまま塩抜きをするより早く塩が抜けます。(5分くらいで塩抜き完了します)塩抜きをする際はどんぶり等、底のまるいものは、腸が底の一点に集まって、からまりやすくなってしまうのでおすすめしません。底が平たいバットに水を張り、腸を入れて塩分を抜いて下さい。

羊腸の塩抜きが完了したら、絞り袋に口金をセットし腸を口金に取り付けます。羊腸はプラスチックのガイドが付いていますので、プラスチックをたわませて羊腸の中に口金の先を差し込んでいきます。(下の写真)
羊腸すべてが口金に入ったら、プラスチックのガイドを絞り袋の方から引き抜きます。羊腸が外れないようにすこし絞り袋側にあげておきます。

*折り込みに注意
プラスチックガイド付きの羊腸を口金にスライドさせる際に、羊腸の端が折り込まれたまま口金に取り付けられてしまうことがあります(羊腸が2重、3重に重なった状態)。そのまま腸詰めしますと、短いソーセージになってしまいますので、羊腸をスライドさせた後、羊腸の一番端の部分を両方確認(少し伸ばして端を見つける)してください。本来2mある羊腸ですが、折り込まれたままの羊腸で腸詰めすると1mしかないソーセージになってしまいますのでご注意下さい。

2.ソーセージの生地づくり

次はソーセージの生地作りです。「詰めもの」「ファルス」「たね」「具」などいろいろな言い方がありますが、ここでは生地とします。肉をよく練って美味しい生地をつくります。
 まず、ボウルに氷水、挽肉、塩、砂糖、スパイスを入れてよく混ぜ合わせます。混ぜている時の肉の温度は10℃以下をキープするようにします。温度が高くなると茹でたときに肉が固まらず、ボソボソしてしまい茹でたハンバーグのようになってしまいます。手が痛くなるくらい冷たいのですが、頑張って練ってください。3~4分練ると肉がまとまってきます。肉に粘りが出て片手で持てるぐらいになったら生地作り完了です。残った氷は取り出して捨ててください。
*夏は氷を少し多めに
夏期は練っている最中にどんどん氷が無くなることもあります。夏は氷を多めにし水を少なめにして下さい。
*夏は2重ボウルで冷却
練っている最中に温度が上がらないようにボウルを2つ用意し、下のボウルに氷を入れ、その上に肉の入ったボウルを重ねると、冷たいボウルができます。肉の温度の上昇を防ぐことができます。夏は2重ボウルで作って下さい。

詰めよう

生地を絞り袋の半分程度で入れて、絞り袋の端をねじり、生地が出てこないようにします。絞り袋のねじった端をしっかり押さえながら、体重をかけるようにして絞り袋から肉を少し絞り出します。
 口金から少し肉が出てきたところで、腸の端を結びます。結び終えたら、また腸を口金の方にたくし上げます。これで腸詰めの準備完了。さあ、いよいよ腸詰めにはいります。体重をかけながら少しずつ腸に肉を詰めていきます。あまり肉が詰まりすぎると、ソーセージをねじる時に腸が破れてしまうことがあるので8分目程度に詰めていきます。
 絞り出して生地が少なくなってきたら、全部絞り出してしまう前に残りの生地を絞り袋に補充します。全ての生地を詰めたら羊腸の端を結んで腸詰めは完了です。

ねじろう


「ねじる」行程です。そのままくるくるねじってもいいのですが、ただねじるだけですと茹でるときにねじりが戻ってしまうので、ここでは鎖状にする方法をご紹介します。まず、肉が詰まった状態の1本の半分のところを2~3回ねじり、半分に折り曲げ、2本の状態にします。次に上の写真(左)のようにお好みの長さで、2本を一緒にねじります。次にどちらか一方の端を、ねじりによってできた輪の中をくぐらせます。これでねじりが戻ることはありません。
[注意]このねじっている時も腸の中の肉の温度が上がると、ボソボソソーセージになってしまいます。ねじる時に時間がかかりそうでしたら、氷を入れたボウルの上にもう一つボウルを重ねて、そこに腸詰め状態のソーセージがあたるようにしながら、なくべく肉が温かくならないように注意しながら行ってください。
 ねじり終わったら、腸の中の空気を抜きます。表面から見て、空気が入っているところを、爪楊枝などを軽く刺して空気を抜いてください。大きな空間が残っていると茹でた時に水が入ってしまいます。


ゆでよう

空気抜きが終わったら茹でます。大きめの鍋に80℃くらいのお湯を用意し、そこにソーセージを入れていきます。70~75℃をキープし20分茹でます。途中でソーセージの上下を入れ替えるなどをして、お湯にあたらない部分がないようにしてください。20分後に一応1本取り出して包丁で切って中まで火が通っているか確認してください。まだ、火が通っていないようでしたら、様子を見ながらもう少しボイルします。そのまま茹でたてにかぶりつきたいのですが、茹で終わったら、いったん氷水に5分浸けて、ソーセージを冷やします。こうすることで肉がしっかりしてプリッとしたソーセージになります。その後、つながっているところをハサミで切って、キッチンペーパーなどで水気を拭き取り完成となります。
すぐに食べない場合は、冷蔵庫または冷凍庫で保管してください。

食べてみよう


おすすめの食べ方は、カリーブルスト(Curryvurst)です。ドイツのソーセージスタンドで有名な食べ方で、作り方は簡単です。完成したソーセージ(ボイルして冷却した後)の水気を拭き取り、フライパンに油をしいて焼き色が付くように、手早くこんがりと焼きます。皮がカリカリッとなったら皿に盛り、たっぷりのケチャップをかけ、カレー粉を軽くふりかけて完成です。こんがり焼けたソーセージにケチャップとカレー粉の味がすごくマッチして美味しいですよ♪

 上記の基本的なソーセージ作りができるようになったら、ぐるぐるソーセージやフランクフルト、スモークソーセージ、鶏肉ソーセージ、サラミソーセージなど、もうワンランク、ツーランク上のソーセージ作りにチャレンジしてくださいね。

【ぐるぐるソーセージ】
ぐるぐるソーセージ

【フランクフルトソーセージ】
フランクフルトソーセージ
【スモークソーセージ】
スモークソーセージ

【鶏肉ソーセージ】
鶏肉ソーセージ
【サラミソーセージ】
サラミソーセージ
今回使った「手作りソーセージキット」は初めてソーセージを作る方に一番売れている商品です。ソーセージ作りに必要な基本の道具と羊腸が入っています。当店オリジナルの詳しい作り方解説書付きで初めてのソーセージ作りもバッチリ美味しく作れます。
セットの他に用意するものは、豚ひき肉400gと塩と砂糖、氷水です。合計500gで14本くらいのソーセージになります。初めてソーセージを作ってみたいっ!方はぜひチャレンジしてみて下さい。
家のキッチンでソーセージ作りができるってすごいですよね。私も初めて作ったときは感動しました。いまでもソーセージは家庭でできる加工食品の王様だと思っています(*^_^*)
 生のお肉を扱うので、温度や衛生面など注意点もたくさんありますが、要点をおさえれば大丈夫です。基本の作り方がわかったら、あとはお好みの素材やスパイスなどでいろいろなソーセージを作ってみてください。
当店では基本のソーセージが作れるようにサポートしていますが、その後のみなさんのオリジナルのソーセージ作りも応援しています。作り方がわからない、美味しくできない、こんなソーセージ作りたい!などがありましたら店長カワモトがお答えします(無料ですよ)。お気軽にご相談ください。
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弥彦の観光ボランティアガイドをしています。ディープな弥彦神社のコトを書いているブログ「弥彦神社大好き♪」↓
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